今流行り!? 点群データってなに?
点群データってなに?
近年、建設業界やプラントで徐々に普及しつつある「点群データ」。
「なぜ普及し始めたの?」
「写真の方がキレイじゃないか」
「そもそもこれで何ができるの?」
といったお問い合わせをよくいただきます。
確かに聞きなれない言葉なうえに、イメージがつきにくいかもしれません...
ここではその「点群データ」に関連した疑問についてご説明していきます。
まず
「点群データ」とはなにか?
...その名の通り"点の集まり"です。
下の画像は粗い写真に見えるかもしれません。
しかしこれが「点群データ」であり、
各要素を構成しているのが細かい無数の"点"になります。
「え?」
と思われるかもしれませんが、近づいてみるとその全貌が明らかになります。
点が一定間隔で無数に並んでいるのがわかります。
画像の点と点との距離が粗さ(画素数、ピクセルみたいなイメージ)として画像に表れています。
どうやって点群は取得されるの?
ではどうやって
「点群データ」を取得したのか?
「点群データ」を取得する上で切り離せないもの...
それが「3Dレーザースキャナー」です。
画像は現在ベステラが保有している機器で、Nikon Trimble 製の「TX-5」(左)と「TX-8」(中)、FARO製の「FocusS150」(右)です。
計測方法は、計測したいエリアに設置してスタートボタンを押すだけです。
機械に付いているレンズを中心に、真下以外の360°の範囲を測定します。
「それだけで本当にとれるの?」
という疑問は当然出てくるかと思います。
ご心配ありません...
ベステラが保有しているレーザースキャナーは、1秒間に100万点という脅威のスキャンスピードでポイント計測を行います。
取得した点には、座標情報を与えた上でデータを取り込み、3次元的に構成していきます。
原理は簡単で、照射したレーザーが物体に合たって跳ね返った時間を計ることで、物体との距離を計測しています。
豊富なデータを取得するには?
では1回計測するだけで全部とれてしまうのか...
というと、そう簡単にはいきません。
確かに、ほぼ360°計測することができます。
しかしそれは計測機を設置した場所から"見える"範囲での話です。
例を挙げて解説します。
先ほどもお話しましたが、計測機は物体に当たって跳ね返ってきたレーザー光を受光することで計測を行っています。
これは、私たちが目の前にある景色が見えているのと同じ原理です。
私たちの目は物体に反射した光を捉え、物体を認識しています。
例えば、あなたは目の前にある物体の陰(死角)になにがあるか見えますか?
壁の向こう側はどうなっているか分かりますか?
超能力者ならいざ知らず、一般人には無理なことでしょう。
それは計測機でも同じこと、図を見ていただければ分かり易いと思います。
計測器からは物体Aの表面、壁の表面は見えても、「物体Aの裏面や陰」、「壁の上部や裏面」、「物体B」を確認することはできません。
では、どうすればちゃんとデータがとれるのか...
あなたは物体Aの陰を確認したくなったらどうしますか?
そう、見えるところに移動してしまえばいいのです。
四角い物体Aをデータ化したいのならば、角ごとに移動し、計4回計測すればほぼ欠落無く取得可能です。
しかし、物体の素材によっては上手く取得できない物があったりします。
それについては次回、私たちの身近なものからご紹介したいと思います。