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2019.03.26

今流行り!? 点群データってなに?

3Dレーザースキャン基礎知識

点群データってなに?

近年、建設業界やプラントで徐々に普及しつつある「点群データ」。

プラントの点群データ(アイソメ、俯瞰、斜視)

「なぜ普及し始めたの?」
「写真の方がキレイじゃないか」
「そもそもこれで何ができるの?」
といったお問い合わせをよくいただきます。
確かに聞きなれない言葉なうえに、イメージがつきにくいかもしれません...
ここではその「点群データ」に関連した疑問についてご説明していきます。

まず
「点群データ」とはなにか?
...その名の通り"点の集まり"です。

下の画像は粗い写真に見えるかもしれません。

himeji 点群データ

しかしこれが「点群データ」であり、
各要素を構成しているのが細かい無数の"点"になります。

「え?」
と思われるかもしれませんが、近づいてみるとその全貌が明らかになります。

himeji 点群データ 点が見えるまで近づいたキャプチャー

点が一定間隔で無数に並んでいるのがわかります。
画像の点と点との距離が粗さ(画素数、ピクセルみたいなイメージ)として画像に表れています。

どうやって点群は取得されるの?

ではどうやって
「点群データ」を取得したのか?
「点群データ」を取得する上で切り離せないもの...
それが「3Dレーザースキャナー」です。

ベステラ保有のレーザースキャナー×3(TX-5,TX-8,FocusS150)

画像は現在ベステラが保有している機器で、Nikon Trimble 製の「TX-5」(左)と「TX-8」(中)、FARO製の「FocusS150」(右)です。

計測方法は、計測したいエリアに設置してスタートボタンを押すだけです。

機械に付いているレンズを中心に、真下以外の360°の範囲を測定します。

計測範囲 図解

「それだけで本当にとれるの?」
という疑問は当然出てくるかと思います。

ご心配ありません...
ベステラが保有しているレーザースキャナーは、1秒間に100万点という脅威のスキャンスピードでポイント計測を行います。
取得した点には、座標情報を与えた上でデータを取り込み、3次元的に構成していきます。
原理は簡単で、照射したレーザーが物体に合たって跳ね返った時間を計ることで、物体との距離を計測しています。

豊富なデータを取得するには?

では1回計測するだけで全部とれてしまうのか...
というと、そう簡単にはいきません。

確かに、ほぼ360°計測することができます。
しかしそれは計測機を設置した場所から"見える"範囲での話です。

例を挙げて解説します。
先ほどもお話しましたが、計測機は物体に当たって跳ね返ってきたレーザー光を受光することで計測を行っています。

これは、私たちが目の前にある景色が見えているのと同じ原理です。
私たちの目は物体に反射した光を捉え、物体を認識しています。

例えば、あなたは目の前にある物体の陰(死角)になにがあるか見えますか?
壁の向こう側はどうなっているか分かりますか?

超能力者ならいざ知らず、一般人には無理なことでしょう。
それは計測機でも同じこと、図を見ていただければ分かり易いと思います。

計測機レーザー照射 図解

計測器からは物体Aの表面、壁の表面は見えても、「物体Aの裏面や陰」、「壁の上部や裏面」、「物体B」を確認することはできません。

では、どうすればちゃんとデータがとれるのか...
あなたは物体Aの陰を確認したくなったらどうしますか?
そう、見えるところに移動してしまえばいいのです。

計測機移動 図解

四角い物体Aをデータ化したいのならば、面ごとに移動し、計4回計測すればほぼ欠落無く取得可能です。

しかし、物体の素材によっては上手く取得できない物があったりします。
それについては次回、私たちの身近なものからご紹介したいと思います。

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