「点群データを"防災"に活用しよう!」点群データ活用方法~第2弾~
災害時の点群活用
前回に引き続き、点群データの活用方法「第2弾」をお届けします。
今回お話しする内容は、防災に対して点群データを役立てる方法です。
それでは、当社が行った事例を参考に紹介していきます。
事例:防災設備
ここで紹介するのは、とある工場において「防火壁」の設置に点群を使用した例です。
一般的なものでいうと、学校などにある防火シャッターを想像してみてください。
この事例に、点群を使っていただく決め手となったのが、「効率性」と「作業安全性」です。
なぜなら、検討するために問題として、
① 検討が広範囲に及ぶこと
② 設置に伴う障害物が多いこと
③ 高所や進入制限がある難所があること
...が挙げられたためです。
上記で挙げた問題は、3Dレーザー計測にとってはほぼ問題になりません。
データ取得の最大有効距離は340mで広範囲や難所をカバーし、障害物は干渉チェックを行うことで全て確認することができるからです。
点群データからは、「防火壁の完成予想図」や「防火壁と干渉する障害物」、「防火壁に取り付ける扉の位置」等を確認・調整することが可能です。
結果として、お客様の求める効率的で安全な計測から、建築物の法令に基づいた"設置位置"や"形状"の検討を行うことが出来ました。
さらなる利用用途の開拓
防災のための点群利用用途として「災害現場の保存」があります。
起こってしまった災害を無かったことにはできませんが、過去に生かすことが出来ます。
被災した際に状況をそのままデータとして取得することで、時間が経ってからでも様々な検証ができます。
例えば工場やプラントでは二度と同じ災害を起こさないために、過去の災害事例を教訓にすることが往々にしてありますが、点群データならば、よりリアルに周知徹底するための一助になると考えます。
3Dデータを共有に利用する
前項で触れた災害事例の共有は、現場にとって大事なことです。
点群データは、その効果を高めるために効果的な「材料」として利用することができます。
理由は、写真だけでは分かりにくかった場所も、3次元的な視点から見れば、より分かり易く、より記憶に残り易い形での周知ができるからです。
また、場所や設備を知らない(別グループなどの)人から見てもより理解しやすい形で利用できます。
ここからさらにリアリティを追求するならば、VR(バーチャルリアリティー)として点群を展開し、臨場感のあるデータを確認することもできます。
教育的な面で見るならば、現場を知らない新人や、別グループからの異動者への教材としても大いに活用が見込めます。現場操業の世代が変わったとしても有効的に活用していけるのは、導入に一考の余地ありではないでしょうか?
まとめ
自然災害、人災に限らず、災害は起こらない・起こさないことが一番です。
しかし、工場やプラントでは危険なもの、大規模なものを扱う分、大きな災害に直結しやすい側面もあります。
一見災害に対しては出来ることがなさそうな点群データでも、復旧の備えや、教育・対策の観点から見れば、有用な使い道があります。
現場における防災設備の設置検討もぜひベステラにお任せください!
次回は2次利用方法「第3弾」です。