「一目でわかる!見えない壁の向こう側」点群データ活用方法~第3弾~
部屋や階層を跨いだ計測
点群データ活用方法の第3弾ということで、部屋間・階層間に跨る計測、データ活用についてご紹介します。
皆さんは、点群が壁や天井を隔てた部屋同士でも、合成することが可能であることをご存じでしょうか?
今までは建物の外観や、広いエリアの計測を紹介してきましたが、今回は建物内部の計測やそのメリットに焦点を当てていきます。
内部計測のメリット
建物内部を計測するメリットとは、建物内部の壁や天井を隔てたレイアウトを正確に行える事です。
例えば、階層を跨いで新規に配管を通す場合、両方の階を下調べし、障害物の有無などを検討する必要があります。
しかし、階層が増えていった場合はどうでしょうか?
1~10階までを通して検討しなければいけない場合は、同じく下調べを行うにしても、相応の手間や、位置の把握ミスによる手戻りが発生する可能性があります。
このように工数が多い場合、点群データを活用すれば、机上で1~10階までの各階層を、障害物の有無も含めて、まとめて検討することが可能となります。
上断面図は、屋上から下の階へ配管を伸ばしていますが、上下での位置関係性が一目で分かります。
配管ルートの検討
位置関係が判明すれば、障害物が雑多に並ぶ屋内の検討であったとしても、正確に検討を行うことが可能です。
一例を挙げて紹介します。
上図のように、屋上→下階→外へと配管を伸ばすといった場合、屋上では障害物が無い「ピンク色」の配管ルートが、下階では柱と干渉するため、迂回が必要です。
しかし、1m程ずらした「赤色」の配管ルートであれば、障害物の無い最短距離でレイアウトが可能となります。
上記で示した様に、一度計測し、データ化することにより、検討段階における、手間や時間をカットします。
通常の現場調査と比べるならば、同じ1日間の調査で取得できる情報量の多さ、それに伴う手戻りの少なさ(現場に戻って確認する必要がない)が、点群データが効率的である要因です。
把握の難しい壁や天井を隔てていれば尚のこと、正確に位置決めが出来る、机上での検討を推奨します。
部屋や階層間を計測するためには...
部屋ごとや階層といった、壁や天井等の隔てるものがある場合、データの合成はうまくいきません。データの合成が必要な場合、部屋の"内部"と"外部"両方のデータを持った「繋ぎ」が必要になります。
例えば、部屋の扉の境界で1スキャンを行い、"内部"と"外部"の両方のデータを持った「繋ぎ」を中心として、同じ形状を合致させながら合成していきます。
建物の全体像
現況通りに合成が完了すれば、建物の全景をミニチュアハウスのように壁を取り払って上下左右の位置関係や、各部屋、階層ごとの壁や天井の厚みを測ることが出来ます。
また、貫通している配管が、建物の歪みによって軸ずれを起こしていないかなど、メンテナンス面でも活用できます。
まとめ
建物内部では、設備維持管理のための配管が多岐に渡り設置されています。
壁や天井に埋まってしまうと、現場で配管を追うのが困難になります。たとえ配管図があったとしても、詳細な位置関係把握は難しいのではないでしょうか。
似通った悩みをお持ちであれば、点群データを用いることで、管理・レイアウトが行いやすくなります。
ぜひベステラで計測をご検討ください!