「今までの現場調査がより簡単に!」点群データ活用方法~第4弾~
調査が難しい場所の計測
今回の内容は、「点群データ活用方法~第4弾~」と称しまして、"調査が難しい場所"の点群データ取得に関してのお話しです。
"調査が難しい場所"とは、普段は立入が出来ない場所や、人が進入・行動しづらい場所を指します。そういった場所を、人の手ではなく3Dレーザー計測で調査するメリットをご紹介していきます。
点群データ化のメリット
調査が難しい場所として、まず挙げられるのが「高所」です。
高所を調査するならば、まず必要なのが"足場"だと思いますが、調査範囲が広がれば、さらに足場を増やしたり、現場の通路や操作機器との兼ね合いもあり、組み換えが必要になる場合もあります。
しかし、3Dレーザー計測による点群データならば、周囲を丸ごとデータ化でき、最大340m先まで点群データを取得できることから、足場を掛ける必要がありません。
その他にも、立って移動できないような「狭所」や、光源の無い「暗所」などは、人の手で調査するよりも負担なく、データ取得が行えます。
取得した情報からは、工事の際の搬入ルートや施工範囲・施工手順などのシミュレーションを行うことが可能です。
事例紹介:難易度の高い計測
前項で挙げた調査がしづらい場所で、「狭所」と「暗所」を兼ねた"屋根裏"の計測を行った事例があります。
ある施設の内部を計測する案件で、"屋根裏"部分の計測が必要となり、暗く、狭い場所で、計測を行いました。計測自体は計測機を設置できる空間さえあれば行えるため、設置後は邪魔にならない位置まで退避してから、遠隔で計測をスタートし、ノイズや点群の欠けが起こらないように注意して行っています。
・補足事項【暗所でも、点群データが取得できるのはなぜか?】
3Dレーザー計測機は、自身でレーザー光を照射し、対象物に当たって反射したレーザー光をまた自身で受光するため、太陽光や光源のない場所でも計測することが可能です。
危険が予想される計測
ここまで挙げた以外で、難易度の高い調査があります。それは「立入禁止区域」の計測です。
立入禁止区域といっても様々ありますが、例えば機械の稼働範囲内や、経年劣化や災害により崩落が予想される場所などが思いつきます。
人の手で調査に入ると、事故につながる危険性がある場所は、やはり"範囲外"からのデータ取得ができる、3Dレーザー計測機の出番となります。
当社が担当した事例では、地震等により損壊した設備を立入禁止区域の範囲外から計測をして、撤去作業の計画を行いました。
損壊した箇所から、さらに崩れていく危険があったため、点群データからの情報を元に、撤去する手順や危険事項、使用する重機の選定などを迅速に行いました。
クライアントや協力会社との共有もスムーズになり、イレギュラーな事態に対しても即座に対応できる能力があることを証明しました。
まとめ
3Dレーザー計測で行う調査は、人の手では行いづらく、日数がかかってしまうような場所においても、効率よく、情報量が多いデータが取得できます。
その後で行う工事でも、無駄のない工程管理が可能となり、円滑に工事の進行が行えると考えます。
しかし、現場は常に変化しており、完全にデータのみでは完結できませが、実際の現場の情報と点群から取得した情報を併用することで、より正確に現場を把握し、共有することが可能となります。
次回は「点群データ活用方法~第5弾~」です。