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2019.10.01

3Dレーザー計測の利点~後編~

3Dレーザースキャン基礎知識

3Dレーザー計測の利点~前編~より

メリット.jpg

前回、「3Dレーザー計測の利点~前編~」にて、当社サービスの3Dレーザー計測についてお話ししました。

3Dレーザー計測の長所として「短時間で効率の良い現況計測が出来ること」、そして「一度計測してしまえば、再度現地へ行く必要が無いこと」を挙げました。


今回の「後編」では、「前編」で紹介した長所をさらに詳しく掘り下げてご説明します。



短時間で効率の良い現況計測

himeji.jpg

まず、"短時間で効率の良い現況計測"をするために欠かせないもの、それが3Dレーザー計測機であり、計測によって「点群データ」を取得できます。

「点群データ」とはその名の通り、点の群=点の集まりで構成されているデータです。

3Dレーザー計測機から照射されたレーザーが反射した点(ポイント)をデータとして取り込むことで構成されます。

取得する速さは、1秒間に約100万点にも及ぶため、計測している1つ1つは"小さな点"だとしても、写真と見紛う程の3Dデータが出来上がるのです。

そして、点群データを取得するには、およそ5~10分程度しかかかりません。

(計測オプションにより、上記以上にかかる場合もあります。)

以上が"短時間で効率の良い現況計測"ができる主たる理由です。



しかし、ハイテクに見える3Dレーザー計測でも、計測時に気にかけることがあります。

それは「死角」の存在です。

データにおける「死角」とは何でしょうか?


実は点群データにおける「死角」とは、私たちのいる現実世界と同意義です。

例えば、現在見ているであろうパソコンのディスプレイですが、今あなたが見ている視点から動かずに、ディスプレイの背面を見ることは可能でしょうか?

当然、今いる視点からは見えないと思います。


レーザーでも同じことが言えます。

基本的に、レーザー光は物体(雨や雪などでも)に当たると"反射"します。

つまり、計測したいものがあっても、それを遮る物体があった場合、データを取得することができません。

では物体の裏側を見たいときはどうするのか、答えは"見える位置まで移動する"です。



計測機の移動

ポンプ9.jpg

計測機の移動について、上図を用いて簡易的に説明します。


①:ポンプの左右両側面を1箇所ずつの合計2箇所で計測し、合成(完成)したカラーデータです。

②:①を構成する要素として、「計測地点1」では、画像を正面から見てポンプの左側面(赤色)を計測しています。

③:①を構成する要素として、「計測地点2」では、画像を正面から見てポンプの右側面(緑色)を計測しています。

④:②、③の2箇所の点群データを合成することにより、「計測地点1」では取得できない右側面を、
  「計測地点2」では取得できない左側面をそれぞれ補完しているデータが出来上がります。
  (①と④は色を変えただけの同一データです。)


上記で列挙したような事情を見ると、「手間が掛かっているではないか!」と思われるかもしてません。

しかし、完成したデータには莫大な情報量があり、計測の手間と比較してみても、やはり圧倒的な"効率の良さ"がそこにはあります。



再度の計測は不必要!?

まるごと.jpg

「現地に行く必要が無い」というのは、データとして「現地を丸ごと」持ってきていることに他なりません。

エリアのデータが完成してしまえば、「あの場所が見たい、知りたい」が机上で完結します。

寸法が知りたければ、データ上の該当箇所同士を選択するだけで、詳細な寸法を測ることが可能となるのです。


ただの点の集まりがなぜそこまでできるのか・・・

それは「点群データ」における点の持つ情報が、3Dレーザー計測機を原点とした"座標値"で記録されているためです。



座標値の取得

計測機座標5.PNG

例えば、3Dレーザー計測機の設置位置の(x,y,z)座標を(0,0,0)とした場合、1500mm上にあるレーザー照射口から3000mm離れた柱にまっすぐ当たった点の座標値は(3000,0,1500)のように記録されます。

上記のように、点群データは取得した点1つ1つが情報を持っているため、現地の詳細なデータとして機能するのです。

また、当社が所有する計測機は最長で340m先までデータ取得が可能なため、1回の計測で広範囲をカバーできます。

そのため、後に「ここが必要だった!」などの、"再計測の必要性"が出てくる可能性が低くなるのも、3Dレーザー計測の魅力の一つになります。



お困りごとがあればベステラへ!

ベステラ.jpg

3Dレーザー計測によって取得できる「点群データ」があれば、手戻りによる時間が圧倒的に少なくなります。

データとして机上でいつでも展開できる他、建物や機械などの情報もデータ内に入力しておけるため、データベースとしての活用も見込めます。


また、2次利用についても、取得したデータを元に、図面化・形状解析・作業シミュレーションなど、幅広く対応可能です。

3Dレーザー計測をご所望でしたら、ぜひ"ベステラ"へお気軽にお声掛けください!


次回は点群データの「2次利用」について詳しくお話していきます。

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