3Dレーザー計測の利点~後編~
3Dレーザー計測の利点~前編~より
前回、「3Dレーザー計測の利点~前編~」にて、当社サービスの3Dレーザー計測についてお話ししました。
3Dレーザー計測の長所として「短時間で効率の良い現況計測が出来ること」、そして「一度計測してしまえば、再度現地へ行く必要が無いこと」を挙げました。
今回の「後編」では、「前編」で紹介した長所をさらに詳しく掘り下げてご説明します。
短時間で効率の良い現況計測
まず、"短時間で効率の良い現況計測"をするために欠かせないもの、それが3Dレーザー計測機であり、計測によって「点群データ」を取得できます。
「点群データ」とはその名の通り、点の群=点の集まりで構成されているデータです。
3Dレーザー計測機から照射されたレーザーが反射した点(ポイント)をデータとして取り込むことで構成されます。
取得する速さは、1秒間に約100万点にも及ぶため、計測している1つ1つは"小さな点"だとしても、写真と見紛う程の3Dデータが出来上がるのです。
そして、点群データを取得するには、およそ5~10分程度しかかかりません。
(計測オプションにより、上記以上にかかる場合もあります。)
以上が"短時間で効率の良い現況計測"ができる主たる理由です。
しかし、ハイテクに見える3Dレーザー計測でも、計測時に気にかけることがあります。
それは「死角」の存在です。
データにおける「死角」とは何でしょうか?
実は点群データにおける「死角」とは、私たちのいる現実世界と同意義です。
例えば、現在見ているであろうパソコンのディスプレイですが、今あなたが見ている視点から動かずに、ディスプレイの背面を見ることは可能でしょうか?
当然、今いる視点からは見えないと思います。
レーザーでも同じことが言えます。
基本的に、レーザー光は物体(雨や雪などでも)に当たると"反射"します。
つまり、計測したいものがあっても、それを遮る物体があった場合、データを取得することができません。
では物体の裏側を見たいときはどうするのか、答えは"見える位置まで移動する"です。
計測機の移動
計測機の移動について、上図を用いて簡易的に説明します。
①:ポンプの左右両側面を1箇所ずつの合計2箇所で計測し、合成(完成)したカラーデータです。
②:①を構成する要素として、「計測地点1」では、画像を正面から見てポンプの左側面(赤色)を計測しています。
③:①を構成する要素として、「計測地点2」では、画像を正面から見てポンプの右側面(緑色)を計測しています。
④:②、③の2箇所の点群データを合成することにより、「計測地点1」では取得できない右側面を、
「計測地点2」では取得できない左側面をそれぞれ補完しているデータが出来上がります。
(①と④は色を変えただけの同一データです。)
上記で列挙したような事情を見ると、「手間が掛かっているではないか!」と思われるかもしてません。
しかし、完成したデータには莫大な情報量があり、計測の手間と比較してみても、やはり圧倒的な"効率の良さ"がそこにはあります。
再度の計測は不必要!?
「現地に行く必要が無い」というのは、データとして「現地を丸ごと」持ってきていることに他なりません。
エリアのデータが完成してしまえば、「あの場所が見たい、知りたい」が机上で完結します。
寸法が知りたければ、データ上の該当箇所同士を選択するだけで、詳細な寸法を測ることが可能となるのです。
ただの点の集まりがなぜそこまでできるのか・・・
それは「点群データ」における点の持つ情報が、3Dレーザー計測機を原点とした"座標値"で記録されているためです。
座標値の取得
例えば、3Dレーザー計測機の設置位置の(x,y,z)座標を(0,0,0)とした場合、1500mm上にあるレーザー照射口から3000mm離れた柱にまっすぐ当たった点の座標値は(3000,0,1500)のように記録されます。
上記のように、点群データは取得した点1つ1つが情報を持っているため、現地の詳細なデータとして機能するのです。
また、当社が所有する計測機は最長で340m先までデータ取得が可能なため、1回の計測で広範囲をカバーできます。
そのため、後に「ここが必要だった!」などの、"再計測の必要性"が出てくる可能性が低くなるのも、3Dレーザー計測の魅力の一つになります。
お困りごとがあればベステラへ!
3Dレーザー計測によって取得できる「点群データ」があれば、手戻りによる時間が圧倒的に少なくなります。
データとして机上でいつでも展開できる他、建物や機械などの情報もデータ内に入力しておけるため、データベースとしての活用も見込めます。
また、2次利用についても、取得したデータを元に、図面化・形状解析・作業シミュレーションなど、幅広く対応可能です。
3Dレーザー計測をご所望でしたら、ぜひ"ベステラ"へお気軽にお声掛けください!
次回は点群データの「2次利用」について詳しくお話していきます。