点群から3D CADモデル化
1 . 点群データを基にした3D CADモデル化
今回ご説明するのは、点群データを基にした3D CADモデル化についてです。
既存の対象物の3D CADモデル化は、現場でのスケッチや、図面などから起こしていくのが一般的だと思いますが、点群を基にして作成することも可能です。
ここでは、点群から3D CADモデル化するメリットや事例などをご紹介していきます。
2 . 3D CADモデルを作成するメリット
まず挙げられるメリットは、点群というアズビルドデータ(現況データ)をモデル化できることです。
最近は、図面が無い、あったとしても古くなっており、現状と異なっているケースが多くあります。
そのため、3Dレーザー計測によって効率よく現況データを取得し、そのデータに沿った形でモデル化する事例が増えています。
もちろん、点群は3D CADモデル化しなければ使えないということはなく、施工シミュレーションや干渉チェック、歪みの解析などできることは様々あります。
そのうえで、3D CADモデル化することで、図面化やBIM/CIMモデルの作成など、できることは多岐にわたります。
3 . 点群データと3D CADモデルの違い
そもそも、3Dデータに馴染みの無い方からしてみれば、「もとから3Dの点群をなぜ3D CADモデル化するのか?」という疑問もあるかと思います。
確かに3Dのデータという点では同じですが、全くの別物です。
例えば、3D CADモデルは線や面、頂点といった要素の組み合わせで構成されているのに対し、点群データは点(座標値)のみのデータです。
また、設計で使われる3D CADモデルと違い、現物から取得する点群データは、3Dレーザースキャナーから見えていない箇所のデータは抜け落ちてしまいます。
点群データからモデル化する際も、点群データが無い箇所に関してはモデル化することはできません。
もちろん、現場では抜け落ちが無いように注意して計測を行いますが、現場の制限や状況によってはどうしても見えない箇所が出てきます。
そのため、モデル化を前提にした計測では、対象物の確認を念入りに行い、欠落が無いように細かく計測を行うようにしています。
4 . 配管モデル化事例
上図は、実際に3Dレーザースキャナーで計測し、配管をモデル化したデータです。
点群に沿って色分けした3D CADモデルが確認できます。
こちらは配管ラックを計測した点群データの断面ですが、配管ラックの下から計測を行ったため、配管の上部分の点群が欠けているのが分かります。
点群を基にしたモデリングは、ある程度点群データが取得できていれば、ソフトウェア上で判別し、作成することが可能な場合もあります。
点群データの必要な部分に欠落が無いように計画して計測することと、ソフトウェアの機能によって、より正確な3D CADモデル化が可能となります。
5 . まとめ
点群から3D CADモデル化といってもあまり難しく考える必要はありません。
簡単に説明すると、3D空間上にある「点群」というガイドに沿って3Dモデル化を行っているだけです。
また、「現況」に即した3Dモデル化になるので、モデル情報から解析したり、既存設備を考慮した新設設計、他にも設備の保全管理に役立てたりと、用途は様々です。
ご興味ありましたら、ぜひベステラ3Dまでご連絡ください。