仕組みが知りたい!3Dレーザースキャナーについて
3Dレーザースキャナーとは?
当社のHPやブログ記事などで軽く紹介しておりますが、今回は「3Dレーザースキャナー」とはどんな機械でどんなことができるのかを説明していきます。
今更な内容かもしれませんが、今までよりも少し掘り下げてご説明していきます。
どんなことが出来る機械?
最近様々な分野で利用されていますが、そもそも3Dレーザースキャナーの目的はただ1つ...
それは「点群データ」の取得です。
その名の通り、レーザーを照射し、物体に当たったポイントを"点のデータ"として3次元的に構成することが出来るのです。
要するに、「ボタンを押すだけで、3次元データが簡単に出来る便利な機械」ですね。
3Dレーザースキャナーの仕組み
さて、ここからは専門的な話になってきますが、「なぜ3Dレーザースキャナーはレーザーが物体に当たったポイントを認識できるのか?」という疑問を持った方もいると思います。
これまでも軽く触れてはきましたが、3Dレーザースキャナーは照射したレーザーが物体に当たって反射し、計測機まで帰ってくる時間を使って計測を行っています。
これは「タイム・オブ・フライト方式」と呼ばれ、レーザー光を照射した方向と往復時間から"距離"を算出する方法です。
最近のレーザー計測機の多くは、このタイム・オブ・フライト方式が採用されています。
ちなみに、この計測方法は"反射光"ありきのため、レーザーを反射しないものがある箇所はデータが抜け落ちてしまいます。
3Dレーザースキャナーの精度
弊社に寄せられるご質問の中に、データの精度についてのお話が多くございます。
計測時における誤差は、それぞれの3Dレーザー計測機を販売している企業様のHPに記載されておりますので、例として、弊社が所有する「FosusS150」の販売もとであるFARO様の性能仕様から抜粋してご紹介します。
この性能仕様を参照すると、「範囲誤差:±1mm(約10mおよび25mでの系統的測定誤差)」との記載があります。
つまり、計測ポイントから10~25m範囲中の誤差が±1mm程度に収まるということです。
ちなみに、誤差の大きさは「計測距離」や「レーザー光の反射率」という要素によって左右されるため、より近い場所で、よりレーザー光の反射率が高いものであれば、点群データの精度がよくなります。
※補足
1スキャンのみのデータであれば、上記の誤差範囲となりますが、複数のデータを合成したものを作成した場合、合成時にも誤差は発生するため、注意が必要です。
3Dレーザースキャナーが取得する情報
次に3Dレーザースキャナーが取得する主な情報を3つご紹介します。
まず1つ目が「座標値」です。
点群は座標値通りに配置・表示されるため、3次元的にデータを構成する上で欠かせないのがこの座標値になります。
2つ目は「反射強度(反射率)」です。
小難しく言っていますが、要するに測定面からのレーザー反射光の信号強度(光の強弱)を指します。
照射したレーザー光が、計測機に何%程度戻ってきているかという情報であり、モノクロ(黒・灰・白)の強弱で、計測物の質感を表現します。
例えば、対象物の反射強度90%程度は白色、10%程度は灰色、2%程度は黒色となりますが、距離や入射角、雨・霧・埃など気象条件で変化することがあります。
3つ目はカラーデータ(RGB)です。
これはレーザーと違い、内蔵されたカメラで撮影した写真の色情報(RGB)をそのまま点群にのせるためのものです。
見た目がきれいで分かりやすくなりますが、寸法や解析を行うだけなら、座標値や反射強度だけで可能です。
まとめ
今回紹介した「FARO FocusS150」以外にも3Dレーザースキャナーは数種類販売されています。
また、一言でレーザースキャナーといっても、ドローンや車載型(MMS)など計測の方法も様々あります。
この記事で3Dレーザーに興味を持った方、実際に計測を行ってみたいと検討中の方がおりましたら、お気軽にお電話またはメールフォームよりお問い合わせください。